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浦和地方裁判所 平成8年(行ウ)17号 判決

埼玉県川口市大字前野宿一七〇番地

原告

坂口安治

右訴訟代理人弁護士

金井清吉

菅沼友子

埼玉県川口市青木二丁目二番一七号

被告

川口税務署長 森晟

東京都千代田区霞ヶ関一丁目一番一号

被告

右代表者法務大臣

中村正三郎

右被告ら指定代理人

戸谷博子

井上良太

佐藤陽比古

原田鉄也

浦野勉

指定代理人

被告川口税務署長

筒井清治

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求

一  被告国は、原告に対し、金一〇〇〇万円及びこれに対する平成八年七月一〇日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告川口税務署長は、同被告が原告に対してした別紙処分目録一及び二記載の各処分を取り消す。

三  訴訟費用は、被告らの負担とする。

四  第一項につき仮執行宣言

第二事案の概要

本件は、原告が、昭和六〇年分ないし平成三年分の所得税について行った修正申告に基づいて納付した税額について、右修正申告は、申告意思が欠如しているか若しくは明白かつ重大な錯誤等により無効であるとして、被告国に対し、不当利得返還請求権に基づき、修正申告に従って納付した税額の内金一〇〇〇万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成八年七月一〇日から完済まで年五分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに、被告川口税務署長に対し、この修正申告を前提としてされた重加算税賦課処分の取消しを求める事案である。

一  前提となる事実

1  原告は、川口市において植木・庭石等の販売業(以下「本件事業」という)を営んでいた者であるが、昭和六〇年分ないし平成三年分(以下「本件各係争年分」という。)の所得税について、いわゆる白色申告書に別紙一の「確定申告」欄のとおり記載し、また昭和六四年一月一日から平成元年一二月三一日までの課税期間ないし平成三年一月一日から同年一二月三一日までの課税期間(以下「本件各係争課税期間」という。)の消費税について、確定申告書に別紙二の「確定申告」欄のとおり記載したうえ、これらをいずれも法定申告期限までに被告川口税務署長(以下「被告税務署長」という。)に提出した(以下「本件各確定申告」という。)。

2  原告は、平成元年六月六日、税務調査を受け、被告税務署長に対し、昭和六一年分ないし昭和六三年分の所得税について別紙一の「修正申告等」欄のとおり記載した修正申告書を提出した(以下「前回修正申告」という。)。

3  原告は、川口税務署職員(以下「被告所部係官」という)の調査を受け、別紙一の「再修正申告」欄記載のとおり本件各係争年分の修正申告書及び別紙二の「修正申告」欄記載のとおりの本件各係争課税期間分の消費税の修正申告書(これらの申告書をあわせて、以下「本件各修正申告書」という。)に署名押印し、平成四年一一月二五日、被告税務署長に提出し、修正申告をした(以下「本件各修正申告」という。)。

4  これに対し、被告税務署長は、平成四年一二月二日付けで右各年分の所得税について別紙一の「原処分」欄記載のとおり、別紙処分目録一の重加算税賦課決定処分を、また、右各課税期間の消費税について別紙二の「原処分」棚記載のとおり、別紙処分目録二の重加算税賦課決定処分(以下、別紙処分目録一、二の処分を「本件各処分」という。)をした。

5  原告は、平成五年二月二日、被告税務署長に対し、本件各処分に対し、異議申立てをしたところ、同被告は、同年六月一四日付けで右申立てをいずれも棄却する旨の異議決定をした。原告は、平成五年七月一二日、関東信越国税不服審判所に対し、右各決定に対する審査請求をしたところ、同所長は平成八年三月二一日付けでいずれも棄却する旨の裁決をした。

6  原告は、異議申立等において原告の主張が認められない場合に備えて、本件各修正申告により納付すべき各税額とその従前との差額(所得税の納付分合計九三二四万一三〇〇円及び消費税の納付分合計一九五万八三〇〇円の総合計九五一九万九六〇〇円)を納付した。

二  本件の争点

1  本件各修正申告は、右(一)ないし右(三)により、無効といえるかどうか。

(一) 本件各修正申告は、申告意思を欠いたものか。

(二) 本件各修正申告は、客観的に明白かつ重大な錯誤によるものか。

(三) 昭和六〇年分ないし昭和六三年分の確定申告につき、国税通則法七〇条五項に定める仮装又は隠ぺいの事実があるか。

2  本件各処分は、適法であるかどうか。

三  争点に関する双方の主張

(原告)

1 争点1(本件各修正申告の無効)について

(一) 争点(1)について

原告は、長男の妻である亡坂口寿美(以下「寿美」という。)の看病等で精神的・肉体的に極度に疲労していた上に、そもそも本件事業の経営を長男の坂口清貴 (以下「清貴」という。)に任せ、自らは経営内容を把握していなかったので、本件各係争年分の所得額も知らない状況にあったが、被告所部係官から、あらかじめ所定の申告書に所得額等の要件を総て記載した申告書を示され、かつ本件各修正申告に応じないと何年かかっても徹底的に調査するなどと署名押印を強要された結果、正常な判断能力を失った状態で、本件各修正申告に応じたものであるから、本件各修正申告は、原告の申告意思を欠いており、無効である。その詳細は、以下のとおりである。

(1) 寿美は、交通事故により、平成四年六月二二日から意識不明のまま医療法人社団協友会東川口病院(以下「東川口病院」という。)に入院しており、今日か明日かの生死の境にあったが、その間、原告は、寿美の看病に勤めていたので、本件各修正申告当時、心身の疲労が極度に達していた。それにもかかわらず、被告所部係官らは、原告に対し、平成四年一一月一〇日、一一日、一三日、一六日、一九日及び二五日の合計六回にわたり、かつ、通常は一人で行う調査を、いずれも二人ないし四人で長時間にわたって行い、精神的に圧迫したため、原告は疲労困ぽいしていた。

(2) 本件各修正申告をした平成四年一一月二五日の当日の経過は、次のとおりである。まず、同日午後三時ころから午後五時ころまでにかけて、原告から委任を受けた福田悦雄税理士(以下「福田税理士」という。)及び清貴が、北澤福一統括国税調査官(以下「北澤統括官」という。)と面談し、同日中は調査を行わない旨の合意を交わした。ところが、この合意に反して、被告所部係官らは、同日午後七時ころ、原告宅を訪れ、被告所部係官らにおいて収入・所得額等を全部記入済の本件各修正申告書を示して、この申告書に署名押印するよう求めた。これに対し、原告は、あまりにも多額の収入、所得金額になっていたために異議を唱えたが、被告所部係官らは、同日午後九時三〇分までの約二時間三〇分にわたって、原告に対し、本件各修正申告の内容として、地方税、加算税、延滞税も含めて総額が二億円であると説明するだけで、各年度の課税標準等算定根拠を何ら示すことなく、「今日でなければ駄目だ」、「これで駄目なら、取引先や銀行の反面調査も徹底してやる。明日にでもその文書を発送する」等と原告が修正申告に応じなければ本件業務に重大な支障をきたす違法な圧力を掛けると申し向け、他方、「息子さんの奥さんが大変でしょうから調査を考慮しているのですよ」などと甘言を弄し、原告の自由な意思を制圧して修正申告を強要したため、原告は正常な判断能力を失い、いわれるまま、本件各修正申告書に署名押印して、本件各修正申告をした。

(二) 争点IQについて

本件各修正申告は、後記(3)のとおり、実際の所得額と異なる過大申告であるところ、右過大申告は、被告所部係官らから誤った所得額を強要され、錯誤に陥ったことによるものであるから、その過誤が客観的に明白かつ重大であって、法定の方法以外にその是正を許さないならば、納税義務者の利益を著しく害すると認められる特段の事情がある場合に該当し、右修正申告のうち、右過大申告分は無効である。

(1) 被告税務署長は、本件各修正申告の際、指示した原告の所得額を、いわゆる推計により求めているが、原告の売上金額を推計するについて、平成三年一一月及び同年一二月のわずか二か月分の売上金額を基礎としており、七年間という長期にわたる経済活動の変化等が全く考慮されていない。ちなみに、昭和六〇年分の本件各修正申告の売上高は、二億五五八五万八二七〇円であるが、清貴の手帳(甲第四号証)により認められる実際の売上高は、一億六九三四万六八八〇円であって、その差は一・五倍にも上っている。

(2) 各課税期間の所得税の所得率は七年間にわたって一律一三・六パーセントとされ、各年度の状況について一切考慮されていない。

(3) 原告の実際の所得額は、次のとおりである。

原告の平成四年の売上高の実額は、一億九一八〇万三四九六円であるので、これに昭和六〇年の消費者物価指数を乗じて昭和六〇年の売上高を求めると、一億六八二一万一六六六円となるが、これは、昭和六〇年の実際の売上高一億六九三四万六八八〇円とほぼ一致しているから、原告の昭和六〇年から平成四年までの売上高の上昇率は、消費者物価指数の伸び率とほぼ同程度であると推定できる。さらに、より正確を期するため、原告の平成四年の売上高実額に対する昭和六〇年の売上高実額の割合を計算して、消費者物価指数を修正し、この修正した指数に基づいて各係争年の売上高を求め、これに被告税務署長が用いた所得率一三・六パーセントを乗じて所得金額、所得税額を算定すると、別紙三のとおりとなる。この結果と本件各修正申告とを比較すると、別紙三のとおり、各係争年分合計で、所得税額において本税四七一九万五五〇〇円、重加算税一六〇二万六〇〇〇円、延滞税一一六七万九八〇〇円の、消費税において本税九八万七一〇〇円、重加算税三四万三〇〇〇円、延滞税六万八八〇〇円の、地方税において一八九一万五九〇〇円の差が生じており、これら差額の合計は、九五二一万六一〇〇円に及んでいる。

なお、所得率についても、原告の平成四年から平成八年までの実績による平均値は一一・四八パーセントであるから、実際には、原告の所得金額はさらに低い金額となり、それに伴って、納付すべき税額と本件各修正申告による税額との差額は、より拡大する。

(三) 争点1(三)について

任意調査においては、修正申告を勧奨できるのは、一般に三年間であるにもかかわらず、被告所部係官らは、原告がこれを知らないことを奇貨として、七年間にわたる本件各修正申告書に署名させて、提出させたから、三年を超える昭和六〇年度ないし同六三年度についての各修正申告は、無効である。

2 争点2(本件各処分の適法性)について

(一) 本件各修正申告は無効であるから、本件各修正申告を前提とする、本件各処分は、その前提を欠くものとして、違法である。

(二) 仮に、本件各修正申告が無効でなかったとしても、原告は、本件各係争年分の所得税及び消費税を申告する際、納付すべき税額の計算の基礎となる事実の全部又は一部について隠ぺいまたは仮装した事実はないから、本件各処分は違法である。

(被告ら)

1 争点1(本件各修正申告の無効)について

(一) 争点1(一)について

原告は、本件各修正申告の経緯に照らし、職員から提示された本件各修正申告書の内容を十分検討・理解し、自らの判断に基づいて任意に本件各修正申告書に署名押印して作成し、これを提出したものであって、本件各修正申告について、申告意思がなかったとは到底認められない。すなわち、

(1) 川口税務署所部係官齊藤孝二(以下「齊藤係官」という。)及び同藤澤高美(以下「藤澤係官」という。)は、関東信越国税局長所部係官中村正人(以下「中村係官」という。)、同田上哲(以下「田上係官」という。)及び同田中聖一(以下「田中係官という。」等とともに、原告の本件各係争年分及び本件各課税期間に係る所得税及び消費税の調査(以下「本件調査」という。)のため、平成四年一一月一〇日午前一〇時二〇分ころ、原告宅に赴いた。その場に居合わせた原告は、これから寿美の入院先である東川口病院に出かけると述べながら、事務室内の金庫から書類様の物を取り出して、これを紙袋(以下「本件紙袋」という。)に入れて出かけようとした。これを見つけた田上係官が、原告に対し、本件紙袋の中身を確認させて欲しいと申し出たが、原告は、これを拒否して逃げ回り、その際落下した五冊の日計票(以下「本件日計票」という)を除いて、同日午前一一時一〇分ころ、本件紙袋を持ったまま原告宅敷地外に逃げ去った。

(2) 本件日計票には、日々の売上額等が記載されており、本件各係争年分のうち平成三年一一月分及び同年一二月分の売上金額を把握することができたが、その金額と比較して、原告の平成三年分の確定申告書に添付された収支内訳書記載の右各月分の売上金額は著しく過少であった。

(3) 齊藤係官らは、平成四年一一月一一日、同月一三日、同月一六日、同月一七日及び同月一九日にも、原告宅に赴き、本件調査を行った。これに対し、原告は、同月一三日、売上を一部除外して利益を過少に申告していたことを認め、税務調査に協力する旨の申述書を作成・提出し、また、同月一六日、仮名の定期預金を含む一〇〇件を超える預貯金証書等を提出した。しかし、真実の収入・経費を記載した帳簿等や、本件日計票を除く日計票及び外注費や仕入金額に関する資料等は提出せず、平成三年分以前の書類等は、ほとんど保存していないと回答し、結局、本件各係争年分の実額による収支計算をするに足りる資料を提示しなかった。

(4) そこで、齊藤係官らは、本件日計票記載の平成三年一一月分及び同年一二月分の売上金額と、確定申告書添付の収支内訳書記載の右各自分の売上金額との対比から、原告の本件各係争年分に係る確定申告額は、真実の売上金額の二〇・二四パーセント相当であると認め、平成四年一一月一九日、原告に対し、実額での収支計算によって所得金額を算出することは困難であるから、右割合から推計した収入金額、所得金額及び納付税額の各概算を説明し、その金額で修正申告するようにしようようした。原告は、右推計の結果には異議を唱えず、右算出額に基づき修正申告をするかどうかについては、同月二五日に回答すると申し出た。

(5) 原告は、平成四年一一月二五日、原告の希望により原告宅を訪れた齊藤係官に対し、本件各係争年分の収支内訳書を作成することは困難であり、本件調査を同年内に穏便に済ませて欲しいと述べた。次いで、齊藤係官らが原告に対し、前記の推計による本件各係争年分に係る売上金額、所得金額及び所得税額等を改めて説明したところ、原告はこれを了承したので、齊藤係官らは、本件各修正申告書 に所要の数額を記入して、原告に渡した。すると、原告は、その場で、本件各修正申告書の記載内容を確認したうえでこれに署名押印をして、齊藤係官らに対し、本件各修正申告書を提出した。

(二) 争点1(二)について

(1) 原告は、修正申告に錯誤があると主張しながら、その前提となる所得の実額を主張、立証しないので、右主張は主張自体失当である。けだし、推計課税制度は、帳簿書類などの直接資料が入手できないために課税を行わないことは、租税負担の公平の原則に反し許されないため、実額課税の代替的手段として課税庁に許容された制度であるから、納税者が独自に推計による所得金額を主張することは許されない。したがって、真実の所得金額を主張、立証しない限り、修正申告した所得金額が客観的真実に反しているといえないので、錯誤の主張は、その前提を欠くものである。

(2) 原告は、本件係争年分の売上金額について、日々の売上金額及びその月初からの累計売上金額等を記載した日計票により、当初からこれを把握していたから、錯誤に陥る余地はない。

(3) 原告が主張する推計には、合理性がない。すなわち、基礎となる平成四年分の売上金額を裏付ける領収証及び現金出納帳などの資料もないこと、原告の推計方法に従って、平成四年分の売上金額を基にして、平成五年分ないし平成八年分の消費者物価指数を掛け右各年分の売上金額を推計すると、当該年分の原告主張の売上金額との間にはかなりの差が認められるから、消費者物価指数から本件各係争年分の売上金額を推計することについて、合理性は認められない。また、原告の主張する所得率一一・四八パーセントは、これがどのような資料等に基づいて算出されたのか明らかでなく、かつ裏付資料も提出されていないので、根拠がない。

(4) 以上のとおり、原告の錯誤の主張は、主張自体失当であるが、念のため、被告所部係官が原告に示し、本件各修正申告の基になった所得金額等の算出経緯等を明らかにすると、その詳細は、次のとおりである。

ア 本件調査においては、前記のとおり、本件各係争年分に係る所得金額等を実額で算定するための資料等が存在しなかったので、推計の方法によった。

イ 本件調査の結果、唯一把握できたのは、本件日計票に記載された平成三年一一月及び同年一二月の売上金額であった。原告が確定申告した本件各係争年分に係る売上金額は、各年分とも変動しているから、原告は、本件各確定申告において、各年分の経済状況等を反映させ、一定割合を除外した売上金額を申告していたと推測されたので、本件日計票記載の平成三年一一月分及び同年一二月分売上金額の合計額と本件各確定申告に添付された収支内訳書記載の右各月分の売上金額の合計額とを対比したところ、後者の合計額は、小数点第二位未満を切り捨てで、前者の合計額の二〇・二四パーセントであった。そこで、原告の申告額を二〇・二四パーセントで除して算出した金額を、原告の売上金額であると推計した。

ウ 次に、本件各係争年分に係る原告の所得金額については、前回修正申告において原告が記載した事業専従者控除額控除前の所得金額の合計額を、前回修正申告において原告が記載した売上金額の合計額で除したところ、小数点第一位未満を切り捨てで一三・六パーセントであったから、前記売上金額に一三・六パーセントを乗じて算出した。

(三) 争点1(三)について

原告は、本件各係争年分における売上金額を把握していたにもかかわらず、この事実を隠ぺいして、これより少ない金額で納税申告書を提出した。右の行為は、国税通則法七〇条五項の「偽りその他の不正の行為」に該当するから、税務署長は、納税申告書の法定申告期限から七年を経過する日まで更正・決定等をすることができる。そして、同法一九条一項では、納税申告書を提出した者は、更正があるまでは課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができると規定しているから、被告所部係官が原告に対し、その調査結果に基づき、本件各係争年分の所得税について修正申告のしょうようを行ったことは何ら違法ではない。

2 本件各処分の適法性について

前記被告主張1(一)のとおり、原告は、日々の売上金額を記載した日計票により真実の売上金額を把握していたにもかかわらず、これを隠ぺいして本件各係争年分の所得税及び本件各係争課税期間の消費税に係る確定申告を行ったから、所得税の重加算税につき国税通則法六八条一項ないし三項により、消費税のそれにつき同法四項かっこ書により、本件各処分は、いずれも適法である。

四  証拠関係

証拠の関係は、本件記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるから、これをここに引用する。

第三争点に対する判断

一  争点1(本件各修正申告の無効)について

1  前記前提となる事実のほか、甲第四、第五号証、第六号証の一ないし三、第七号証の一、二、第八ないし第一〇号証、乙第一ないし第七号証、証人齊藤孝二の証言、原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

(一) 原告は、祖父の代から坂口植物園の屋号で営んでいた植木業を引き継ぎ、植木・庭石等造園資材の総合卸業を経営していた。清貴は昭和五〇年ころから家業を手伝い、昭和五七年ころから経営にも関与するようになった。

寿美は、平成四年六月二二日、交通事故により全身打撲及び頸髄損傷の傷害を負い、同日から同人が死亡する平成五年一月二〇日までの間、東川口病院に入院していたが、右傷害のため自発呼吸がなく、危篤状態が続いていたので、原告、清貴らは、ほぼ毎日、東川口病院に行き、寿美の看病や見舞客への対応をしていた。

(二) 原告は、本件各確定申告において、本件各係争年分に係る売上金額について、実際の売上金額を申告せず、これより少ない小切手、俵込み等により、銀行の預金口座等に入金された金額のみを申告した。

原告は、平成元年六月六日、被告税務署長に対し、税務調査を受けて、昭和六一年分ないし昭和六三年分の所得税について別紙一の「修正申告等」欄のとおり記載した修正申告書を提出した。

(三) 齊藤係官は、中村係官、田上係官及び田中係官とともに、平成四年一一月一〇日午前一〇時二〇分ころ、原告に対する税務調査を行うため原告宅に臨場し、たまたま自宅前を清掃中の原告に対し、本件調査を行うことを告げたところ、原告は、東川口病院から、寿美の容態が悪化したとの連絡があったので、東川口病院に直ぐに出かけるが、お手伝いの人も帰るので家を閉めるということであったので、やむなく、齊藤係官らは、原告が帰宅するまでの間、原告宅の外で待機することにした。原告は、そのまま自宅兼事務室内に入り、右事務室内の金庫から原告の売上げを記載した日計票、定期預金証書その他の書類を本件紙袋に入れて、勝手口から持ち出そうとした。齋藤係官らは、右臨場時の原告の様子から、病院に急いで行くような状況にあると見えなかったことから、外から事務室内の様子を窺っていたところ、原告が、本件紙袋を携えて勝手口から庭の方へ出て行ったので、田上係官は、原告に対し、本件紙袋の中身の確認を要請したが、原告は、これを拒否し、かえって、その場から逃げ出したため、齊藤係官及び田中係官も加わって、原告を追い駆けていたところ、その途中で、原告が本件紙袋を落とし、本件日計票が落下した。田上係官は、本件日計票のうち、四冊を拾い上げたが、原告は、残りの一冊を拾ってなおも逃げ回ったが、灯籠につまずいて転倒した。田上係官が倒れている原告のそばに行って、説得したところ、原告は、残り一冊の日計票を田上係官に対して渡したが、その後、原告は、再び本件紙袋を持ったまま原告宅付近の畑等を逃げ回り、結局、原告宅の敷地外に逃げ去った。

齊藤係官らは、同日午後零時五〇分ころ、東川口病院に赴き、同病院に寿美の様子を確認したところ、原告の前記説明に反して、同病院から当日原告に対し、寿美の容態が悪化したので、病院に来て欲しいとの連絡をしたことはないということであった。次いで、齊藤係官らは、同病院にいる原告に対し、持ち出した物の提示を求めると、原告は、これを焼却した旨答えた。

同日午後三時四〇分ころ、原告が自宅に戻ったので、本件調査を再開し、途中夕食を挟んで同日午後八時一〇分ころまで調査をしたが、原告は、齊藤係官らに対し、原告宅事務所内の机、金庫、キャビネットなどにあった納品書、仕切書、見積書の控え等を提示し、預金通帳については、翌日提示すると申し立てた。

(四) 本件日計票を確認した結果、本件各確定申告書に添付された収支内訳書記載の売上金額は、平成三年一一月分が三八〇万二四四三円、同年一二月分が四九二万六八〇八円の合計八七二万九二五一円であるところ、本件日計票に記載されていた右期間に係る売上金額は、同年一一月分が二四二一万一五一八円、同年一二月分が一八九一万四一〇六円の合計四三一二万五六二四円であり、前者の合計額は、後者の合計額の二〇・二四パーセントであり、原告が売上金額を相当多額にわたって除外していたものと推測された。

(五) 齊藤係官らは、平成四年一一月一一日午前九時二五分ころから、原告宅において、二回目の本件調査を行った。その際、清貴は、齊藤係官に対し、納品書及び領収書の保管はしていないし、その他の書類についても、その都度処分している旨答え、また、預金通帳の提示はなかった。

(六) 平成四年一一月一三日午後三時ころから同日午後八時三〇分ころまでの間、行われた三回目の本件調査において、原告は、清貴を介して、実際の収入や経費の分かる書類等も、本件日計票以外の日計票もないと説明するとともに、一回目の本件調査の際、本件紙袋に入れて持ち出した書類は、定期預金証書であり、いったん畑に隠した旨述べた。次いで、原告は、本件各確定申告の際、売上の相当額を脱漏していたことを認め、本件調査に協力するので、今日の調査は止めて欲しい旨申し出たので、田上係官らは原告に対し、その旨の上申書を提出するよう求めたところ、原告は、売上の。一部を除外して少なく申告していたことを認めるとともに、今後は本件調査に全面協力する旨の上申書( 乙第二号証)を作成して、提出した。

(七) 平成四年一一月一六日午後五時二五分ころから同日午後八時ころまで行われた四回目の本件調査において、原告は、仮名七口を含む合計一六四口の預金証書及び通帳を提示した。さらに、齊藤係官らによる説得の結果、原告は、持っていた鞄から定期預金証書一口、預金通帳三冊及び仮名預金に使用していた印鑑五本を提示した。

(八) 平成四年一一月一九日午後二時ころから行われた五回目の本件調査において、原告は、定期預金証書一八口及び印鑑八本を提示したが、このほかには収入や経費等に関する書類は提出できない旨申し立てた。同日の調査において、藤澤係官が、原告に対し、本件調査によって得られた資料から推計した金額として、本件各修正申告における売上金額及び所得金額を提示したところ、原告は、信頼できる人と相談したいので、同月二五日まで待って欲しいと述べたので、齊藤係官は、同日に再度本件調査を行う旨を告げて、同月一九日の調査を終了した。

なお、当日藤澤係官が原告に示した所得金額等の推計方法は、次のとおりである。

ア まず、原告が、本件日計票に記載する売上金額から一定の割合を減じて、本件各係争年分に係る確定申告書に添付して提出した「収支内訳書」に記載したものと判断し、本件日計票記載の平成三年一一月分及び一二月分の売上金額と、原告が本件各係争年分に係る確定申告書に添付して提出した「収支内訳書」記載の右各月分の売上金額の合計額とを対比した。後者の売上金額の合計額は、前者の売上金額の合計額の二〇・二四パーセント相当であったことから、右「収支内訳書」記載の本件各係争年分に係る売上金額を、右割合で除した金額を、実際の原告の売上金額であると推計した。

イ 次に、本件各係争年分に係る原告の所得金額については、原告が前回修正申告における、昭和六一年分ないし昭和六三年分の事業専従者控除額控除前の所得金額の合計額二二四三万五〇一五円の、同期間に係る売上金額の合計額一億六四五六万六六七〇円に占める割合が一三・六パーセントであることから、右割合を原告の所得率と推認し、アにより求めた原告の本件各係争年分に係る売上金額に、右所得率を掛けた金額をもって、原告の本件各係争年分に係る所得金額と推計した。

(九) 齊藤係官は、平成四年一一月二五日午前九時ころ、事前に電話で原告宅を訪問する旨を告げたところ、同日午前中は、本件調査を見合わせてほしいと申し立てたため、同日午前中は、原告宅への訪問を見合わせた。

その後、原告から依頼を受けた福田税理士が、同日午後零時五〇分ころ、川口税務署に連絡し、本件調査の担当統括官と面談したい旨申し立てたので、担当統括官である北澤統括官は、同日午後三時二〇分ころから同日午後五時五分ころまでの間、清貴及び福田税理士と面談した。右面談において、精貴及び福田税理士は、藤澤係官が同月一九日に提示した所得額を半額にして欲しいと申し入れた。その間、原告が、川口税務署に対し、電話をかけてきたので、藤澤係官が、同日中に原告宅を訪問する予定である旨答えた。しかし、北澤統括官の面談が終了したときには、既に午後六時を過ぎていたため、齋藤係官は、原告に対し、今日予定していた原告宅への現場調査を取り止めることを連絡したところ、原告は、今から原告宅に来て欲しいということであったため、藤澤係官と齊藤係官は、同月二五日午後七時二〇分ころ、原告宅を訪れた。

そこで、齊藤係官は、原告に対し、福田税理士に依頼したかどうかを確めたところ、原告は、福田税理士には平成四年以降の分について依頼しており、本件各係争年分は依頼していないと答えた。次いで、齊藤係官及び藤澤係官は、原告に対し、平成三年一一月分及び一二月分の売上金額は、本件日計票に記載された右各月分の売上金額の二〇・二四パーセントと推定され、売上除外があるものと認められること、原告の要望であった、本件調査結果に基づき提示した所得金額を半分にすることは根拠がないので、応じられないことを説明するとともに、併せて、所得金額を実額による収支計算によって計算することができない以上は、所得金額の計算は推計の方法によらなければならないが、推計の方法には、収支及び取引先への照会結果に基づいて所得金額を推計する方法と、これまでの本件調査の結果の範囲内で所得金額を推計する方法とがあるが前者の方法によれば、照会文書の回収に時間がかかるので年内に結論を出すことが困難であること、この他に資産負債の増減による方法もあるが、まだ話してもらっていない事実があると考えられるため、この方法による計算はできないことを説明し、真実の所得金額が分かる帳簿書類の保存があれば提示するように促した。これに対して、原告は、寿美の生死が気がかりであること、本件調査が行われていることを取引先に知られたくないこと及び照会文書に対する回答等、取引先に迷惑をかけたくないことなどを理由に、年内に本件調査を終了してもらいたいと申し立てた。

次いで、藤澤係官は、売上金額の脱漏割合から、本件各係争年分に係る原告の売上金額は、二億二〇〇〇万円ないし三億一〇〇〇万円と推計されること、これに、前回修正申告における所得率の平均である一三・六パーセントを乗じると、所得金額は、三〇〇〇万円ないし四二〇〇万円くらいになることを説明した。これに対し、原告は、地方税も含めて二億円で収まるかと尋ねてきたため、藤澤係官は、地方税については、はっきりしたことは言えないが、概算では収まると思うと回答したところ、原告は、平成四年一一月二五日午後八時四〇分ころ、藤澤係官が告知した額で計算することを了解する旨述べた。これを受けて、藤澤係官らは、原告宅の事務所の机を借りて、昭和六〇年度から平成三年度までの所得税の修正申告書及び平成元年度から平成三年度までの消費税の修正申告書(本件各修正申告書)を作成し、これを原告に手渡した。原告は、約一〇分間、本件各修正申告書を確認した後、藤澤係官からの指示に従って、自ら住所と氏名を記載し、押印した。

以上のとおり認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

2  争点1(一)について

右認定した事実によれば、原告は、本件各確定申告において、売上金額の相当多額を除外し、過少に申告していたことを認識していたこと、本件各修正申告をするに際しては、原告は、六日前に、被告所部係官から、本件調査結果に基づいて脱漏割合により推計した売上金額、所得額等について概略の説明を受けたこと、この説明を受けて、原告は、本件各修正申告により、追加納税額が地方税も合わせると約二億円で納まるか否かを質したこと、この間、原告は、福田税理士に、善後策を相談したうえ、被告所部係官に対し、追加納税額が半額にならないかと申し出ていること、藤澤係官及び齋藤係官は、原告から被告所部係官の来訪をして欲しいとの連絡を受けたため、平成四年一一月二五日午後七時二〇分ころ、原告方を訪れ、原告方の事務所において、改めて本件調査結果に基づく本件各修正申告の内容について説明をし、本件各修正申告書の記載をしたもので、原告は、右本件各修正申告書の内容を確認した後、これに署名押印し、本件各修正申告をしたことが認められる。右事実によれば、原告は、寿美の看病や本件調査により相当程度疲労していたことが窺われないでもないが、本件各修正申告当日、被告所部係官の来訪を求め、その説明に基づいて作成された本件各修正申告書に署名押印したものであり、この間、原告が疲労困ばいにより正常な判断能力を失っていたことを裏付けるような事実は存しないし、原告が本件各修正申告書に署名押印した前示の経緯に照らすと、原告が被告所部係官からの強要に基づいて、本件各修正申告をする意思を欠いたまま本件各修正申告書に署名押印したという事実を認めることもできない。この点、原告は、被告所部係官は、課税標準等算定根拠を示すことなく、本件各修正申告に応じなければ反面調査を徹底してやる等と圧力を掛ける等して修正申告を強要した旨を供述するが、原告は、前示のとおり、被告所部係官の臨場調査に際し、ことさらに所得を隠ぺいしており、所得等の脱漏については自認しており、むしろ修正申告により納付すべき税額に関心を持っていたことに照らすと、本件各修正申告の具体的内容について説明を受けることなく、これに応じたことは認め難いし、被告所部係官は、原告の所持する一件資料からは所得金額の実額を確定することはできないことから、実額による修正申告をする場合には反面調査を実施しなければならない旨を話したもので、これによって、原告に本件各修正申告を強要し、その旨の圧力を掛けたと認めることもできないので、原告の右供述は、採用することができない。また、原告の主張を認めるべき証拠も存しないので、原告の主張は、理由がない。

3  争点1(二)について

前記認定事実によれば、原告は、本件事業に関して売上や経費を日々記載した日計票等を作成していたこと、原告は、本件各修正申告に先立つ、平成元年六月六日、税務調査を受けて前回修正申告をしたこと、本件調査に際して、原告は、日計票等をいったん持ち出そうとしたものの、被告所部係官にこれをとがめられ、逃げ回っている途中で、やむなく渡すことになった本件日計票を除いて、他の日計票等の伝票類を廃棄する等関係資料をことさらに隠ぺいする行為に及んでいること、被告所部係官は、原告に対し、所得の実額を把握できる資料の提出を再三にわたり求めたにもかかわらず、原告が協力しないため、結局、唯一実額を記載したと認められる本件日計票に基づいて、原告の所得額を推計し、これによって本件各修正申告をすることを求めたというのであるから、原告は、自己の所得の実額については少なくともおおむねを把握していたと認められ、加えて、売上げの相当額を脱漏していたことを自認し、むしろ、納付すべき税額について関心を抱いていたことに照らすと、原告は、被告所部係官の推計した所得額に関する説明を承諾したうえで、本件各修正申告に応じたものと認められる。したがって、原告がその主張するような錯誤に陥った上で本件各修正申告に応じたとは認め難い。

ところで、原告が錯誤の前提として主張する所得額は、実額ではなく、いわゆる消費者物価指数による推計であって、しかも、その推計には被告らが指摘するとおり、基礎となる平成四年分の売上金額を裏付ける領収証及び現金出納帳などの資料も提出されていないし、原告の推計方法に従って、平成四年分の売上金額を基にして、平成五年分ないし平成八年分の消費者物価指数をかけて右各年分の売上金額を推計すると、当該年分の原告主張の売上金額との間にはかなりの差が認められるから、消費者物価指数から本件各係争年分の売上金額を推計することについて、合理性は認められないので、本件各修正申告について、客観的に明白かつ重大な過誤があると認めることもできない。

また、本件全証拠によるも、原告が争点1(二)で主張する錯誤に関する事実を認めるべき証拠もない。したがって、原告の右主張は、理由がない。

4  争点1(三)について

前記認定のとおり、原告は、本件各係争年分に係る売上金額の実額を、日々の取引を記載した日計票等により把握していたにもかかわらず、これを偽って過少の金額で本件各確定申告及び前回修正申告をしたこと、原告は領収証及び納品書等の書類をその都度処分しているほか、本件調査においても、被告所部係官に発見されないように、本件日計票以外の日計票等を本件紙袋に入れて持ち出した上、被告所部係官に交付した以外の資料については、焼却した等して提出をしなかったこと等が認められ、右事実に照らせば、原告は、本件各確定申告の際、真実の売上金額、所得金額等に関する事実を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づいて過少に申告し、相当多額の売上金額を脱漏したものと認められる。したがって、本件各確定申告は、国税通則法六八条一項にいう税額等の計算の基礎となるべき所得の存在を一部隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出した場合に当たるというべきである。

そうすると、右の行為は、国税通則法七〇条五項の「偽りその他の不正の行為」に該当するから、税務署長は、納税申告書の法定申告期限から七年を経過する日まで更正・決定等をすることができる。そして、同法一九条一項では、納税申告書を提出した者は、更正があるまでは課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができると規定しているから、本件各修正申告には何ら無効となる事由はない。

二  争点2(本件各処分の適法性)について

前記説示のとおり、本件各修正申告は無効といえないから、この無効を前提として本件各処分の違法をいう原告の前記主張は、理由がない。

また、本件各確定申告は、国税通則法六八条一項にいう税額等の計算の基礎となるべき所得の存在を一部隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出した場合に当たると認められることは、既に説示したとおりであるから、本件各処分は適法である。

三  よって、原告の本件請求は、いずれも理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六一条を適用して、主文のとおり判断する。

(口頭弁論終結の日 平成一〇年九月一四日)

(裁判長裁判官 星野雅紀 裁判官 小島浩 裁判官 鈴木雄輔)

処分目録

一、平成四年一二月二日付でされた、昭和六〇年分・昭和六一年分・昭和六二年分・昭和六三年分・平成元年分・平成二年分・及び平成三年分の所得税に係る重加算税の各賦課決定処分

二、平成四年一二月二日付でされた昭和六四年一月一日から平成元年一二月三一日まで、平成二年一月一日から平成二年一二月三一日まで及び平成三年一月一日から平成三年一二月三一日までの各課税期間の消費税に係る重加算税の各賦課決定処分

別紙一

〈省略〉

別紙二

〈省略〉

別紙三 各年分の税目修正申告をしょうようされた所得額と、当方主張による所得額による納税総額の差違一覧表

〈省略〉

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